KAIGO info

福祉用具プランナーによる、介護用品と福祉用具の情報発信ブログです。

杖の選び方〜意外と奥深い杖の話〜

介護用品店で働いていた時代、最も多くご相談頂いていたのが杖についてです。

f:id:dokodemo28:20190505100653j:plain

 

杖には大きく3種類あります。

①一本杖

②伸縮杖

③折りたたみ杖

 

それぞれの特徴は以下の通りです。

 

①一本杖

伸縮や折り畳みの出来ない杖です。木製の杖が多く、いわゆる「ステッキ」を思い浮かべるのがこのタイプです。

持ち手に装飾が施されていたり、高級な木材を使用していたりします。使用されている木材や装飾によって、値段は数千円から数十万円のものまで様々ですが、非常にデザイン性に優れたものが多いのもこの一本杖。

 

メリット

・使われている木材が丈夫なものであれば、非常に頑丈で強度に優れる。

・高級感のある商品が多く、フォーマルな装いにもマッチする。

・一点ものの商品もあり、愛着を持って使用できる。

 

注意点

・木材をカットして高さを調節する必要があるため、慎重な高さ調節が必要。

 ⇒購入の際は店頭で試しながら購入されることを推奨します! 

 

②伸縮杖

名前の通り、伸縮可能な杖です。高さの調節が簡単にできるため、使用者が店頭などで高さの調節ができない場合などに適しています。街中で一番見かけるタイプの杖です。

 

メリット

・高さの調節が容易にできる。(ただ、一度高さを決めると変えることはあまりありません。)

・安価な商品が多い。

・折りたたみ杖に比べると強度はある。

 

注意点

・調節が容易でご自身でもできるからか、間違った高さで使用されている方が多くみられる。

・高さ調節用のネジがゆるむと、杖をついているときにカチカチ音がなる。

  

kaigoinfo.hatenadiary.com

 

 

③折りたたみ杖

名前の通り、折りたたみができる杖で、畳むとカバンにすっぽり収まる程度の大きさになります。「疲れた時だけ使いたい」という方や、初めて杖を使う方で、杖に対する抵抗感がある方にもおすすめです。

 

メリット

・折りたためるので常時使用するわけではない方には便利

・外出時、置き場に困らない。(意外と出先では杖を立てかける場所がないです。)

 

注意点

・折りたたむために、杖の内部にゴムが使われているものが多く、常に折りたたんだ状態にしておくとゴムが劣化する。

・つなぎ目が多い分、強度は他の杖に比べると低い。

 

 

それぞれ、メリットや注意点があるので、使用方法やライフスタイルなどに合わせてえらんでください。

他にも松葉杖やロフストランドクラッチという杖もありますが、そのあたりはおそらく病院でどんなものを使用するべきか指示があると思いますので、こちらは割愛します。

 

〜番外編〜

④ウォーキングステッキ

通常杖は一本ですが、二本1セットで使うものもあります。日常使いというよりも、ウォーキング時に体のバランスをとるために使用されるものです。

登山用ステッキのような形で、両手に杖を持ちます。杖の高さも、持った時に肘が直角になるくらいで、通常のものよりも高く設定します。

背筋が伸びる!と、これを日常使いされている方もいますが、両手が塞がってしまうのでその点はご注意ください。

 

 また、杖の使用にはいくつか注意点がありますが、またそれは別の記事でお伝えします^^